今回は「ご一緒にお着物ライフを楽しみましょう!! その㉕ 帯の格」について紹介させていただきたいと思います。
『帯の格』
帯には着物の格を調整する役割があります。
きもの自体の基本的な格付けがまずありますが、帯でその格付けを「より重厚な雰囲気にするか」「より軽やかな印象にするか」調整できます。
基本的な帯の格
【重厚、格が上】←←←→→→【軽やか】
織り帯 ←←← →→→ 染め帯
金銀を多用 ←←← →→→ 金銀の分量は控え目
格調高い柄 ←←← →→→ 趣味性の高い柄
錦織、唐織 ←←← →→→ 紬の織の帯
有職、吉祥、正倉院文様←← →→→ 幾何学柄や趣味性の高い柄
丸帯、袋帯、つづれ帯←← →→→ 洒落袋帯、名古屋帯、八寸帯、半幅帯、兵児帯
格の高い文様の種類
①正倉院文様(しょうそういんもんよう)
奈良時代に東大寺の正倉院に収蔵された工芸品や染織品に宝物に多く見られた文様の総称です。
天平、飛鳥時代の文様。正倉院はシルクロードの終着駅ともいわれ、
ローマやペルシャ、インド西域、中国などの大陸の影響を受けた文様が多く伝えられています。
鳳凰、花喰鳥、くじゃく、おうむ、おしどり、鶴、鴨、獅子、虎、羊、象、鹿、馬、竜、きりん、うさぎ、亀、唐草、唐花、牡丹、ぶどう、宝相華(ほうそうげ)蓮、雲、月、太陽、星、海、山、連珠、円文、亀甲、石畳、菱形など多種多用です。
②有職文様(ゆうそくもんよう)
平安時代から公家の装束や調度品の装飾に用いられた優美な文様です。古典的で伝統的な格調の高い文様です。
立涌文(たてわくもん)や亀甲文、七宝文、菱文、丸文など幾何学文様風に繰り返す図案や典雅(てんが)で整った趣の文様が多く、礼装の着物や帯によく使われます。
③吉祥文様(きっしょうもんよう)
「めでたいこと、よいしるし」を意味する吉祥文様は縁起が良く幸福のしるしとして用いる文様です。
鳳凰、雲鶴、鶴、亀、牡丹、瑞雲、松、竹、梅、扇、宝舟、宝尽くしなど種類は豊富です。
礼装用の袋帯や織名古屋帯に使われることが多いです。
帯の形状
お召しになられた時に前姿で見える感じは多少の幅の差はありますがたいてい4寸前後(15.2cmくらい)です。帯によってはお召しになる方のご身長などに合わせて前幅を広くすることもあります。
形状の格を順に並べてみると
「丸帯→袋帯→つづれ帯→洒落袋帯or織の名古屋帯→染の名古屋帯→八寸名古屋帯→半幅帯→兵児帯」
となります。多少金銀の使用量や柄で前後しますが、概ねこの順番です。
帯の柄付け
袋帯や名古屋帯にも柄付けによって格があります。
①全通柄
全面に柄が入っているもの
②六通柄
胴に巻いて隠れる部分には柄ななく、表から見える部分だいたい6割くらいに柄が入っています。
③お太鼓柄
巻いたときに前にくる部分とお太鼓になる部分にだけ柄が入っています。
今回は帯の格について紹介いたしまた。
最後までお読みいただきありがとうございました。
***yukihanakai***
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お着物の事は地域や諸々の条件で必ず答えが一つと言えないこともあります。
私自身が勉強したり、経験した中で得た一般的と思われる知識を記載させていただいておりますが、諸説ある中の一つの意見とお考えいただけますと幸いです。