草履、下駄は日本の伝統的な履物です。
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着物姿には草履か下駄を格に合わせて使用します。
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現在では礼装のきものには草履を合わせます。
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下駄はゆかたや木綿カジュアルな紬や小紋に合わせます。
草履と下駄の違いは台の素材です。
草履は革か布、下駄は木製で底に歯がついているもの、ゴムが貼られたものなどがあります。
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佐賀錦などの高級な布製の草履は正装用です。
振袖などに使用するバックとおそろいの佐賀錦の草履です。台の高さは高めです。
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準・略礼装からよそいきまではシルバーか薄いピンク、クリーム、白などのエナメル素材が良いでしょう。おしゃれ用にはパール加工も気軽です。
エナメルで層がたくさんのものはよりフォーマル感が増しますね。
銀座の老舗履物屋「ぜん屋」さんの7の10というたっぷり層の重ねられた振袖や訪問着用に合わせるお草履です。とても素敵だったので雪花会O様の物を写させていただきました。お年始のご挨拶にお出掛けの際、初使いされたそうです。足にとっても優しい履き心地だったそうです。優しいお色目がO様にとてもお似合いでした。
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今年創業200年を迎える友人のご親族様が営んでいらっしゃる呉服店で誂えた天に真綿をたっぷり使った草履です。まず台を選び、鼻緒は春の学校行事に合わせて桜の柄を合わせてみました。着用予定の訪問着、付け下げにぴったりの満足の仕上がりとなりました。
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着物スタイリスト秋月さんのブランド「れん」の草履です。こちらも天にたっぷり真綿を使用されており、足に優しいお草履です。秋月さんの素敵な色合わせで巻きの底部分に深い色があしらわれており、前坪の色も鴇色で絶妙な色合わせ。履くと一気にお洒落感が増します。
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母が誂えてくれた大正13年創業の銀座小松屋さんの草履です。鼻緒と前坪に濃い色がくるとぐっとカジュアル感がでますね。
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大正15年創業の「菱屋」さんが開発された台がスニーカーのソールと同じEVAという材質でできた「カレンブロッソ」のカフェ草履。とにかく身体に優しい作りでカジュアルなお出掛けにはかかせません。とても気に入り、私はすでに4足作ってしまいました。台、点、鼻緒もたくさんの種類から
自分の好みで選べ、次はどの組み合わせにしようか楽しみは膨らむばかりです。
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私はまだ下駄のお洒落まで届かず、写真は浴衣用の裸足で履く下駄です。最近は紬用のお洒落な木台に天に革を貼った粋で素敵な下駄も沢山あるので是非試してみたいです。下駄は二枚歯の駒下駄、千両、小町、右近など形も色々ありますし、材質の種類もたくさんあります。以前は底にゴムが貼っておらず、石造りのホテルや劇場では敬遠されていたと聞きます。現在ではそれほど厳しく言われる事はないそうですが、場所によっては注意が必要なようです。
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このように草履や下駄は素材や色によって礼装から小紋やお召し、紬などのお洒落着まで合わせる事ができます。
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草履を履くときは必ず足袋をはきます。専門店で職人さんに足にあわせてお好みの鼻緒をすげてもらうとお洒落心も履き心地も満足感が高いものになります。
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また、草履や下駄は足の大きさと同じ寸法ではなく、踵が少し台から出ているくらいが歩きやすく良いそうです。
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鼻緒の前坪をひっかけて踵を多めにだして履くのが粋な方の履き方だともいわれているそうです。
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歴史を紐解くと、3世紀に書かれた「魏志倭人伝」には「日本人は皆、徒跣(はだし)」と記載されていたようです。
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草履の発祥は平安時代ころといわれています。その時代は位の高い方は青銅の沓、木製の屐(げき)を履いていました。農業用に田下駄なども遺跡から出土しているようです。
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鎌倉、室町時代に武家の台頭によって草履、草鞋が多く用いられるようになったようです。
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織田信長に見込まれたのちの豊臣秀吉こと木下籐吉郎は「草履とり」という職業からのし上がっていったことは良く知られていることですね。草履が戦乱の世の中の流れを変える重要な道具であったことを想うとなんだか感慨深いですね。
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もともとは藁や竹の皮など自然にとれる植物の革や茎、繊維を編んでつくられたそうですが
江戸時代頃から下駄も履きやすく、色々な素材を張り合わせた履き心地重視の物が作られるようになったようです。
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お洒落は足元からといわれます。TPOに合い、自慢のお着物姿に似合う、お気に入りの一足をみつけて足元軽やかにお出掛けしていただきたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
***yukihanakai***
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数年前より様々な文献を調べたり、産地を訪れ自分なりに勉強をしていた時に作成したノートを基に記しておりますので、このブログの内容は諸説ある中の一つでありますことをご了承くださいませ。