有栖川文様は室町時代から桃山時代にかけて中国などから渡来してきた織物にみられる文様で、名物裂文様の一つです。
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有栖川文様は有栖川家に所蔵されていた錦にあった文様なので、この名がついたそうです。(有栖川家は江戸時代から大正時代のかけて存在した宮家です。)
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幾何学文様に表された鹿や馬を、ひし形や襷形八角形で囲んだ繰り返し文様です。
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鹿は洋の東西を問わず神話に出てくる動物で、神の使いとも言われているようです。神聖な動物なので歴史ある裂地にも用いられたのでしょうか。
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現在でも格式のある文様として帯の文様に使われることや白生地の地紋に用いられる事が多いようですが、幾何学文様になった鹿の文様がなんとも言えない可愛さもあり、最近ではカジュアルに使える名古屋帯や着物の反物の模様にも用いられています。
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鹿は秋の季語として俳句の世界などで使用されるようですが、有栖川文様は名物裂文様なので基本的に季節は問われないそうです。
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格調のある柄ですが、私はこの文様をみると以前訪れた奈良公園や安芸の宮島で出会ったアグレッシブな鹿さんたちを想い浮かべ、ついついほっこりした気持ちになってしまいます。
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前出のお写真は雪花会O様の帯を撮らせていただきました。新しく誂えたように綺麗なものですが(写真が下手で見難く申し訳ありませんm(__)m)、お話を伺うと、こころが温かくなる素敵な歴史のある帯でした。
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着物や帯は自分の時代だけでなく家族の歴史をも持ち続け、幸せのリレーをつなぐツールの一つであることを再認識し、きもの愛がますます高まってしまいました。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。
***yukihanakai***
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数年前より様々な文献を調べたり、産地を訪れ自分なりに勉強をしていた時に作成したノートを基に記しておりますので、このブログの内容は諸説ある中の一つでありますことをご了承くださいませ。
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