村山大島とは東京都武蔵村山市近辺で作られている紬です。
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手紬糸ではなく、生糸で織られる普段着として着られる丈夫で着やすい着物です。
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シャリシャリとしたしなやかな風合いが「大島紬」と似ているためこの名がついたようですが、人気のある大島紬を模して造られたものではなく、元々この地域には江戸時代から「木綿織物」や「村山絣」「武蔵紺絣」「武蔵太織(玉繭紬)」などがあったそうです。
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1919年大正8年l頃に群馬県伊勢崎から職人さんを招いて、板締め注入染色法を伝授され村山大島の生産が始まったそうです。
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板締め注入染色法とは板に板図案に従って溝を彫った絣板で糸をはさみながら屏風ただみに重ね、ボルトできつく締め50分ほど植物染料をかけて染める染色方法です。
絣板は樹齢100年以上の「水目桜」を使用するそうです。
板締め注入染色法で作られた絣糸を高機で手織し、繊細な絣模様を織りあげます。
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昭和9年頃には年産46万反ほど生産され、アンサンブルなどに良く用いらたそうです。
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仕立て前には温湯で洗い、伸子で張ってさっと天日に干すと手触りのよいしなやかな風合いになるそうです。
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私がゆずり受けた村山大島もアンサンブルで、朱色の八掛けがついており、いい意味で時代がつきノスタルジーを感じるお着物でした。
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昭和初期の木造建物が多く、土の道路、緑多い街並みには朱色や赤の八掛けが映えたのだろうとも思います。
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洗い張りを機に八掛けを黒に付け替えましたら、印象が変わりモダンなモノトーンのすっきりした着姿になりました。
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今のアスファルトの道や、コンクリートのビルやガラス張りの建物に囲まれたグレーの基調の街にはモノトーンのすっきりした装いが悪目立ちせず、風景や洋服の方々の中にも自然になじむ気がします。
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洋装の時は色合わせのお洒落が苦手で、黒ばかりの服が多い私にとても着心地良く、安心感のあるお気に入りの着物です。
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現在は機屋さんも数件しか残っていないといわれていますが、とても軽く裾さばきも良く、肩肘張らずに着れるとても着心地の良いお着物なので、これからもますます増えて色々な方に袖を通して欲しいと願ってやみません。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
***yukihanakai***
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数年前より様々な文献を調べたり、産地を訪れ自分なりに勉強をしていた時に作成したノートを基に記しておりますので、このブログの内容は諸説ある中の一つでありますことをご了承くださいませ。
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