『鶴の文様』について
.
鶴は着物や帯にもよく用いられる文様です。
.
写実的なものや図案化したものなど様々な鶴文様があります。
諸外国にも少し鶴を図案化したものがあるそうですが、基本的には日本固有の文様と認識されているようです。
.
「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、本当に千年の命があるわけではないそうですが、鶴は80年ほど生きることも可能で、亀と共に長寿でおめでたい文様として使われてきたようです。
.
鶴は神の鳥と考えられ、めでたいことが起こる前兆とされる鳥「瑞鳥」とも呼ばれていました。
.
純白の羽と美しく飛び立つ様に人々は無限の大空に翔る希望を持ち、高貴で誇り高く見える立ち姿に品位を感じ、吉祥文様として尊ばれたのではないでしょうか。
.
有職織物では身分の高い人の衣料によく利用され、庶民の間でも慶事の器物や婚礼衣装などの晴れ着に使われてきました。
.
現在でも婚礼衣装の打ち掛けなどによくみられます。
.
鶴は家紋の文様にも多く使われており、最も優美で華やかな紋とも言われています。
.
某航空会社の会社のマークも、外国のデザイナーの方が鶴の家紋の日本らしいデザインに魅了されて出来たものだ、との話もあるようです。その他にも日本酒の酒造メーカーのデザインなど、日本らしいものによく使われています。
今年の夏のリオオリンピック、パラリンピックの閉会式での「フラッグハンドオーバーセレモニー」に小池東京都知事がオリンピックの時には鶴の文様の和装で、パラリンピックでは鶴の文様の洋装で出席され、旗を振っておられた姿は皆さまのご記憶に残っておられるのではないでしょうか?
.
世界で注目される舞台でお着物をお召しになられているお姿を拝見し、とても嬉しく思いました。
また、お着物でもお洋服でも日本を象徴する鶴の文様の物を取り入れられている事に気付いた時には行きとどいたきめ細かい配慮に感動いたしました。
よりよい2020年東京オリンピックを目指し奮闘されている小池知事を見習い、私たち日本人一人ひとりが、高貴で誇り高く品位ある日本良さや文化を、世界の多くの方々に認識して実際に感じていただけるよう、自分の出来ることを少しずつ実践できればよいですね。
.
.
.
鶴と言えば、幼少の頃に折り紙で鶴を折った思い出のある方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
私は今年、千羽鶴に協力するチャンスに出会い、何年?何十年?振りに折り鶴を折ることになりました。
自分の記憶力の曖昧さにとても驚き、四苦八苦しながら鶴の折り方を思い出しなんとか不格好ながら折り、微力ではありましたが協力することが出来ました。
.
そしてお声をかけてくださった方々のご尽力で立派な千羽鶴が出来上がり、私たちの思いを届けることができました。 .
.
折り紙は7世紀初めに大陸から紙の製法が伝わり、神事などの供物に折った紙で飾ることから始まったそうです。
一片の紙を折ることによって立体のものを作り出す日本人の技術、それも特別な技術者ではなく一般の私たちでも皆が出来る事は素晴らしいことですね。
.
.
また、上記の鶴の文様の詳細については木村孝先生監修の「文様図鑑」で勉強させていただき、参照させていただきました。
.
先生の着物についての講座を何度が受講させていただき、着物にまつわる色々な事を教えていただきました。
11月にご逝去されたと伺い、とても驚くとともに心よりご冥福をお祈り申し上げます。
.
「印象に残る着物ではなく、褒められる着物ではなく、着物を着ているあなたが素敵ね、と言われようになってくださいね。」と、おっしゃっていたことがとても印象に残っています。
.
木村孝先生の魅力で着物をお好きになった方も沢山いらっしゃると思います。優しく品のある先生のような女性になれるよう、これからも日々精進したいと思います。
.
.
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
***yukihanakai***
**********************************************
数年前より様々な文献を調べたり、産地を訪れ自分なりに勉強をしていた時に作成したノートを基に記しておりますので、このブログの内容は諸説ある中の一つでありますことをご了承くださいませ。
最後までご覧いただきありがとうございました。