お着物をお召しになると、必ずお手入れが必要になります。
今回は「ご一緒にお着物ライフを楽しみましょう!!その④ お着物をお召しになった後のお手入れについて」を紹介させていただきます。
『お着物をお召しになった後のお手入れについて』
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『お着物』
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基本的にはお洋服と違い着用後毎回は洗いませんが、大きく目立つ汚れがついてしまったりシミ等をみつけたらなるべく早めに専門店に相談しましょう。
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職人さんに伺ったところ、原因がわかっていて時間がたっていない汚れは薬品を特定しやすく、落としやすいとのことでしたので見つけてしまったらなるべく早く対処するとよいようです。
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大きな汚れなどがない場合、シーズンごとに丸洗い(着物のクリーニング)を専門店に相談されると良いでしょう。
絹はあまり洗うと生地が傷んでしまうこともあるので毎シーズン必ず丸洗いするのではなく、衿やシミになった部分だけ「部分洗い」することもあります。
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ご自分で丸洗いが良いか部分洗いがよいかなかなか判断が難しいので、やはり専門店にお持ちいただき相談されることをおすすめします。
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ただ、季節が限定される柄の訪問着や色留袖などの「次の出番がなかなかなく、数年に一度くらいしか着用しない着物」は私は着用後すぐ丸洗いをお願いしております。
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長い年月着用したり、どなたかから譲り受けたものなどは「洗い張り」といってすべての縫い目をほどいて一枚の布にもどし、水洗いすることもあります。水で洗うので生地がよみがえり縫い目も気にならなくなり、新品のようにさっぱりします。
「洗い張り」には次のような作業工程があります。
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【解き】+【端縫い】+【洗い】+【張り】+【仕立て】
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それぞれに費用がかかります(袷のお着物の場合は裏物の代金も)ので、お願いする専門店の方と良くご相談の上、しっかりお見積りをしていただき熟考してご判断されると良いでしょう。
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思い入れが深くずっとずっと長く大切にお召しになりたいお着物や、大切な方に受け継いでいくお着物などは「洗い張り」をご検討されると良いでしょう。
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『帯(おび)、帯締め(おびじめ)、帯揚げ(おびあげ)』
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基本的に洗いません。
薄いお色目の「帯」を仕立てる時には、汚れのつきにくいガード加工などをしておくことをおすすめします。 .
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『長襦袢(ながじゅばん)』
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「絹のもの」はシーズンに一度くらいか、長くご着用の予定がない場合、専門店にてクリーニングをしてもらいます。
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「洗える絹やウオッシャブル素材」はご自宅にておしゃれ着用の洗剤で手洗いがおすすめです。汗が抜けてさっぱりします。
めんどくさがりの私は洗濯機のソフトおしゃれ着洗いコースでネットに入れて洗ってしまいますが、しわにならないように脱水はまったくせず、お風呂場で着物ハンガーにかけて干します。
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半衿がウオッシャブル素材ではなく絹の場合、水を通ると衿だけ縮んでしまう場合もあるので、洗う前に必ず確認しましょう。 .
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『和装下着(わそうしたぎ)・足袋(たび)』
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手洗いorネットに入れ洗濯機でソフトおしゃれ着洗いコースで洗います。干すときにしっかり手で繊維を伸ばして干すとアイロンの必要がなくなります。
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足袋の裏側の汚れが気になる場合は洗濯機に入れる前に足袋をぬらして「ウタマロ石鹼」をつけて「足袋ブラシ」でゴシゴシしてから洗濯機にいれると汚れが落ちてすっきりします。
この足袋ブラシはコハゼのチャームがついていて、見た目も可愛く汚れ落ちも抜群な逸品です。
大好きな友人からいただいたモノで、大切に使っています。
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『紐などの小物類』
基本的に洗いません。汚れが目立つようになったらお買い換えをおすすめします。
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本文に出てくる「専門店」とはお着物のクリーニングである「丸洗い」や「部分洗い」「解き洗い張り」などをお願いする『悉皆屋(しっかいや)さん』の事を指しています。
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ご近所になじみの悉皆屋さんがない場合はお着物を購入された呉服屋さん、着物屋さんやデパートの呉服売り場にご相談されると良いでしょう。
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今回はお着物をお召しになった後のお手入れについて紹介させていただきました。
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お手入れはいったいどうしたらよいかしら?とお迷いになられました時の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
***yukihanakai***
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お着物の事は地域や諸々の条件で必ず答えが一つと言えないこともあります。
私自身が勉強したり、経験した中で得た一般的と思われる知識を記載させていただいておりますが、諸説ある中の一つの意見とお考えいただけますと幸いです。